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アイヌ民族の伝説と昔話
道北と道東に残されたアイヌ民族の伝説と昔話‼

北海道のアイヌ伝説について

一般に「アイヌ伝説」と云われる民話や地名に関する伝承等には、1つの地名に複数の伝承が残されている事は珍しくない。同じ話でも伝承者が違うと話の内容が微妙に変わる事が多い。これは口承のため、伝えられた家族ごとの歴史と個性の違いからと思われるが、戦いの相手が伝承によっては異なる場合もある。アイヌ伝説には文筆家によって過度に脚色された話が多く有り、原型の分からないのも多い。そのため当サイトでは出来るだけ話の出典が明らかな話と比較的原型を保っていると思われる伝説、短い民話に限定して掲載しました。中には創作された伝説も例として含めてあります。恋愛がらみの伝説で実名で男女が登場する様な作品は、かなり脚色されているかもしくは創作伝説の可能性があります。その疑いの濃厚な伝説はコメントしておきました。特殊な例として物語の中に“わすれな草”など、各種の帰化植物が登場する場合は素人でも比較的容易に創作作品で有ることを見破れると思えます。もう一つの例として、長い物語では一人称で語られるのが普通です。それが三人称になっている場合「パナンペとペナンペ」や「カッパ」などの話を除けば、和人好みに脚色されている可能性が極めて濃厚と言えるでしょう。

伝説とユーカラの違い

アイヌ民族の伝説ついて長い一言。伝説は地名や特定の自然(川、岩、山、動物)人物、架空の生物(コロポックやカッパ等)にまつわるエピソードや故事来歴、由来、出来事などが説話として残されたもので、神謡やユーカラが伝説の元になっている事もある。伝説も基本的には口承文芸の一部になるので、簡単に口承文芸について書いておく。口承文芸は大きく分けて三タイプあり、最初のタイプは古くは「神謡」と呼ばれ、カムイユーカとも言う「神々の物語り」。カムイユーカは地域によって「オイナ」または「サコペ」と名称が異なります。神々のユーカは動物の神や植物の神、太陽や水の神など自然界の神が自らの体験を語る「自然神のユーカラ」で一般に女性が伝承。もう一つはアイヌの始祖神と云われるオイナカムイ(サマイクル、オキクルミ、アイヌラックルとも呼ばれる)が自分のことを語る「人格神のユーカ」も含めている。また単純に神々の自らの体験を語るだけでなく、あらゆる物事の故事来歴や因果解説、自然と人間の哲学を含めた人間の規範や自然との関係も語られている。その語り口は物語に固有のリズムと節(旋律)をもって、神の言葉として語られているのが際立った特徴で、口演者が変わってもリズムと節(旋律)は基本的には同じ。二番目のタイプは「英雄叙事詩」一般的にユーカという場合は主にポイヤウンペを語る英雄叙事詩を言うようだが、道東ではオタスウンクが英雄として語られる様です。これらは現実離れしたスーパーマン的な英雄ですが、その他にコタンの首長を語ったタイプの物語がある。話の導入部を除けば英雄である本人(又は人間)自身が自らの体験を語るのはカムイユーカラと同じだが、物語に固有のリズムと節はなく、口演者によってリズムや節(旋律)は異なる。英雄の物語は女性が伝承し首長談は男性が伝承するともいう。物語は一定の旋律を伴って語られるが、それが難しい年齢となった方は話口調という事も有るという。三番目のタイプは「散文説話」で、話す内容がほぼ同じでも旋律がなく、日常の話し口調で語られ、内容も豊富で伝説や民話はこのタイプに含まれるが、元々はユーカと同じように語られた話もある。地域によって名称はウエペケレ、ウチャシクマなどと呼ばれる。口承文芸全体を通しての特徴は第一人称で語られるのだが「伝説」は第三者が見たり体験した話や、和人の昔話に似た話も含まれアイヌの昔話として地域に残されている。地名に関する伝承はストリーに欠けたり、極端に短いのもありやや特殊な部類に入る。同じ口承文芸でも伝説はユーカなどとは違い軽視された事も有って、学問的な立場から積極的に採録された話は少なく、原型を残した伝説はその殆どが失われてしまったと思え、今残っている伝説は和人好みに脚色されたり、創作された伝説が大半かもしれないが、真偽の程を明らかにするのは専門家にお任せ。

オキクルミとサマイクル

コタンカラカムイと同一視されていたアイヌラックルは、アイヌ民話における地上で誕生した初めての神であり、地上と人間の平和を守る神とされ、オイナカムイ、オキクルミなどの別名でも伝えられている。一方サマイクルはオキクルミよりも古い神の様でオキクルミ系アイヌが北海道に来る前は広く信仰されていた様です。オキクルミ系が北海道にやってきた事で勢力範囲が変わりサマイクル系は西北部に、オキクルミ系は東南部に落ち着いた印象は有るのだが厳密なものではない。オキクルミ系の地域ではオキクルミが絶対的な神であり、サマイクル系ではサマイクルが絶体的な神となって物語の質も違う。両雄が登場する場合は兄弟として一人は力が強く乱暴者で一人は英知に富んでいるという様な関係です。もう一つはコロポックルの伝説。語義は「蕗の下の人(神)」トイチセウンクル「土の家の人」トイセコッチャカムイ「土の家の傍らの神」など色々な呼び名を持っており、アイヌ民族より古い先住民族という説も有る。北海道の秋田蕗はかつては3m近いのがあって、軍馬に載った人より背丈の有る蕗もあった。大人でも当然蕗の下に入るとその姿は隠れ、蕗の下の人が小人であるという必然性は完全に消える。伝説の全体像から、勢力争いに敗れた交易専門の先住アイヌ一族を連想させるが根拠もない。

フチとエカシ

伝説で伝承者より伝えられたものは伝承者が女性の場合はフチ(姥)、男性はエカシ(長老)で統一しましたが、違っている可能性もあり。また部落と有るのはコタンに統一、酋長は首長としています。伝説にあるアイヌ語や地名に関しても出来るだけ現在の言葉や地名に改めましたが、古い書物に関しての引用はそのままとしています。

伝説の著作権について

古老などの話す民話、伝説などをそのまま書き写した場合、あるいは話の大筋はそのままで、枝葉において多少の修正や増減を加えただけのような場合は、新たな創作性は認められず、書き写した人の著作物ではありません。従って当サイトに掲載された伝説には、基本的に著作権侵害での問題は発生しないと考えます。

伝承話に関する参考文献

管理人の所持する文献を紹介しています。松浦武四郎の各日誌類と永田方正著・蝦夷語地名解。及び更科源蔵遍「アイヌ伝説集」同「アイヌの伝説・アイヌ語地名解・コタン生物記」知里真志保著「アイヌ民話集・アイヌ語入門」知里幸恵著「アイヌ神謡集」チカップ美恵子著「森と大地の言い伝え」因幡勝雄遍「アイヌ伝承話集成」宇田川洋著「アイヌ伝承とチャシ」等です。

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