知床半島先端近くには縄文時代の遺蹟があり縄文時代から人々の暮らしがありながらも原生の自然が残され日本でも類い希な自然環境が残されている。それは斜里岳も同様で多くの野生動物を育んできたがその大地によそ者の侵入が続いている。アメリカオニアザミは半島先端部まで進出し、更に最近は石狩、空知地方で農作物食い荒らし他の野生動物も襲うなど向かうところ敵無しのアライグマが知床まで進出している。野鳥にも驚異でアオサギコロニーが消えた所もあり、知床ではシマフクロウ等への驚異と考えられ、環境省はアライグマから営巣木を守るため木登り防止の鉄板を巻いている。アライグマは元々はペットで飼われていた動物で飼い主が手に負えなくなり放したり逃げ出したのが繁殖したと言うが、従来の外来生物とは比較にならないほど深刻な事態を引き起こしている。サケやオショロコマなどの魚卵を食べるといわれるブラウントラウトは自由に海から川へ出入りし斜里川でもその姿が確認されている。また道東の釧路地方で問題となっているウチダザリガニは十勝を制圧するのはもはや時間の問題の様だ。そのウチダザリガニも遂に斜里川に進出しその対応には有効な方法も無く今後斜里川の生態系に与える影響が心配されている。グッピーなども温泉周囲の水温が高いところで確認されているという。いずれにしても斜里川の生態系は環境の破壊と外来生物という二つの大きな問題を抱えていると言わざるを得ない。
世界自然遺産知床の入口はこの斜里川という方もいるように知床半島の基部に聳える斜里岳を水源とし数多くの支流や湧水を集め54km以上の旅をしオホーツク海に注ぐ。斜里川は斜里町と清里町の農業地帯を流れる川には珍しく自然産卵由来のサケ科魚類は多く斜里川に遡上するシロザケ・カラフトマス・サクラマスの数は何れも日本一を誇りその河川規模からみると驚かされる。その豊富な湧水群を活用した孵化放流事業もその一端をになつているのは明らかです。斜里川に生息する魚類は他の知床の河川と比べて多種に及び、特に東オホーツクでは唯一イトウの生息する河川ですが、その数は急激に減少しており個体群を維持していくこと重要な課題となっている。イトウは源流から下流まで自由に往来でき生育段階に応じて暮らせる環境が無ければその種を維持できない事から斜里川の象徴種といえるイトウを守る事は斜里川の自然を守る事と同じ意味を持ちます。斜里川はその地形から洪水を起こす暴れ川だったこともあり河川改修が進められ河川の直線かや河畔林の消失、魚道の無い砂防ダムなどが年々増加し魚類〈特に稚魚〉にとつては生息環境は悪化してきている。大規模な酪農などによる水質の汚染なども目立たないが徐々に進行しているが、牧場の中を流れる小さな川の汚染をいかにして防止するかはこれから問題になってくるだろう。いま川が持っていた本来の機能を復元して環境の保全しながら開発を進めていくという視点が行政に求められている。釧路川や標津川の河川蛇行化にみられる自然再生事業は斜里川にも必要な事だと思われる。
イトウが釣れる可能性のある場所で釣りをする時はシングルフックやバーブレスフック等、魚体への損傷を低減するような仕掛けを使用するようにしてください。斜里川でのイトウ釣りは宝クジより確率の悪い釣りとなる(絶滅した可能性も有る)ので滅多にお目にかかれるとは思わないが、偶然釣れてしまったときには水から出さずにリリースしてください。ダメージが強ければリリースしても助からないことも有ります、それと産卵期の釣りは控えましょう。
斜里川はサケやサクラマスの遡上する屈指の河川でさくらの滝の滝越えのサクラマスのハイジャンプは道東を代表する風物詩となっている。イトウは別としてアメマス、ヤマメ、オショロコマは健在だが以前と比べるとその衰退ぶりはすさまじい。サクラマス資源の減少をカバーするため大量養殖とサケマス放流事業によりヤマメはいるが天然のヤマメなのかわからない所もあるが、斜里川はヤマメに限って言えばその心配は当分はなさそうだ。斜里川全体の印象から言うとヤマメが優位の川で問題はオショロコマの方、環境庁の準絶滅危惧種リストにも載っているオショロコマはイトウと同じように限られた水系で世代交代を繰り返してきた為その水系特有の形態を持った個体群が出来ていて簡単に他の水系の個体群を放流することはできません。前書きが長くなりましたがこれがキャッチ&リリース〈外来種は除外〉を勧める最大の理由です。では簡単に釣場の紹介です。
市街地の裏側で緑ヶ丘公園との間を流れているが深い所が多く河原は少ない。川岸に柳が多いが14号橋や中央橋付近は部分的に川原も有るので何とか釣りになるが水量次第でしょう、遡行してエトンビ川との合流点付近までそれ以上上流になると蛇行も激しくなり遡行はかなり厳しい、減水期はペストシーズンから外れるなど難しいところだ。
札弦の田園の散歩道で通る橋が9線橋でこの付近からは遡行も可能な流れになっている。流速はやや早くなるが危険と言うほどではない。川幅は10〜20mくらいで護岸や一部ショートカットされた跡か直線になっている区間もあるが全体には細かい蛇行を繰り返し瀬や淵が手頃に有り河原も開けている所が多くなる。ヤマメ釣りはこの辺から上流になるようだ。札弦橋上流も似たような渓相だが全体に浅めでポイントは少ない。
滝まではゆるやかな蛇行のある流れだが河岸が崩れたところもあり岩盤質の場所が多く流れは早い、魚のいるところといないところがはっきりしている印象だ。観光名所の『さくらの滝』は断層で出来た滝と云われるがサクラマスの遡上は可能だが全てのサクラマスが越えられるわけではない。滝から上流は畑と川が近く殆どU字溝状の中を流れ川原は殆どなく畑が消えると断層で出来たような小さな滝がありその上は砂利を採った跡のようで殆どポイントらしき所はなく釣場とは言えない。
アタクチャ川の合流部より下流は多少釣場らしい雰囲気はあるが、砂防堰堤が多く魚道は一応付いているようだがダムより上流にはヤマメは殆どみない。というより砂防ダムが続く区間は川は荒れ気味で生息するオショロコマも少なく小さいものが殆ど、これは釣りに来たが支流に入るには躊躇して本流で釣りをする人が多いからかも・・釣りは早々に切り上げ『男鹿の滝』にもよってみましょう。斜里川には多くの支流が有るがかつての名流アタクチャ川は緑ダムが出来ルアーやフライの釣りが可能な所は少なくなってしまった。アメマスやオショロコマも全体に小型化しただけでなくその数も少なくなっている。